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【 講演 】
富士フイルム テクニカルセンター開設記念イベント:ACES色空間を用いた実践的シーンリニアワークフローと映像・VFX業界へのインパクト

2013年9月20日に開催される富士フイルム テクニカルセンター開設記念イベントにて、以下の通り講演いたします。

セミナータイトル:
ACES色空間を用いた実践的シーンリニアワークフローと映像・VFX業界へのインパクト

セミナー概要:
昨今、日本でも活発化されてきたAMPASのACES規格をベースとしたシーンリニアワークフローは、ハリウッドの映画制作で長年用いられていたノウハウが凝縮された普遍的な映像制作技法です。このワークフローを取り入れる事により、映像品質の劇的な向上に加え、制作期間の短縮による制作コストの低下も見込まれます。
 本セミナーでは、ACES色空間をベースとしたシーンリニアワークフローについて説明します。またシーンリニアワークフローがもたらす映像・VFX業界へのインパクトについて、DIT, パイプライン、VFX、デジタルシネマ機器メーカーの視点からCM制作実例をもとに考察します。

日時:2013年9月20日(金)15:00〜18:30

会場:富士フイルム テクニカルセンター
〒107-0062 東京都港区南青山7-8-1 南青山ファーストビル 5F TEL: 03-6418-6270

会費:4,000円(税込) 定員:30名          

施設概要:
富士フイルム テクニカルセンターは、2013年7月に、製品の開発・評価、デモおよびトレーニングの場として開設されました。映像評価用のDLP、ドルビーモニタを始めとしたモニタリング環境や弊社独自のIDT作成施設も併設されています。

主催:株式会社ロゴスコープ(Logoscope Ltd.)
協力:富士フイルム株式会社、CHAOS GROUP JAPAN.

プログラム

15:00〜15:30 『ACES色空間を用いたライブグレーディングとポストプロダクション』

講演者:石本卓也(Digital Image Technician)

概要:ACES色空間でのCM制作実例をもとに、3DLUTを用いた撮影、ライブグレーディング、ポストプロダクションについての技術解説およびコスト面から制作サイドへの影響について報告します。
・CM制作におけるACES色空間のメリット(工数短縮)
・3DLUTを用いた撮影現場とポストプロダクションのルック共有
・カメラの特性とフィルムルックの関係性について
・CM制作実例で用いた機材リスト
 ARRI ALEXA, D21, FUJIFILM IS-100, IS-mini,
 Black Magic Design DaVinci Resolve

15:30〜16:00 『ACES規格の最新動向の報告』

講演者: 中野大輔(富士フイルム株式会社 イメージング事業部)

概要:米国映画アカデミー及びAMPAS主催のACES規格の最新動向を報告します。さらにRRT(Reference Rendering Transform)についても解説します。

16:00〜16:30
・質疑応答
・富士フイルムテクニカルスタジオの見学
(ダイナミックレンジチャート、カラーチャート、分光測色機、デジタルシネマプロジェクタDLP etc)
・休憩

16:30〜17:00 『シーンリニア(ACES)におけるデジタルシネマ撮影とVFXパイプライン』

講演者: 亀村文彦( 株式会社ロゴスコープ)

概要:シーンリニアワークフロー(ACES)のためのデジタルシネマカメラ撮影とVFXパイプラインについて講演します。昨今、RAW収録カメラの普及によってDIT(デジタルイメージテクニシャン)という職業が現れました。ここでは最先端のDITによるACES規格をベースとした撮影現場でのカラーマネージメントやASC-CDLによるライブグレーディングについて解説します。また映像制作工数の大幅短縮のための、DITとポストプロダクションの連携によるプリグレーディングからコンフォーミングへのVFXパイプラインへの連携について解説します。

・シーンリニア基礎解説
・シーンリニア(ACES)を活用したデジタルシネマ撮影
・VFXを前提としたASC-CDLによるライブグレーディング
・プリグレーディングとVFXパイプラインとの連携

ロゴスコープ講演資料(ダウンロード)

17:00〜 18:00 『カラーマネージメントされたシーンリニア環境でのVFX制作のメリット』

講演者:山岸辰哉( VFX Artist/CG Supervisor)

概要:シーンリニア環境でのVFX制作は、劇的な映像品質の向上やカラーマネージメントによる制作の効率化が見込まれます。そのためには、ポストプロダクションに集まるハイダイナミックレンジ素材の品質を保持しながら、適切なカラーマネージメントを行う必要があります。そこでは、ログからシーンリニア、カメラディバイス色空間からACES色空間などへの様々な変換処理に加え、ViewLUTによるルックの再現が正確に行われます。同様に、VFX制作での露出、ホワイトバランス、ブラー、加算合成(グロー、レンズフレア)などの画像処理についても、シーンリニア環境で行うことにより、生き生きとした視覚効果を得られます。
 本講演では、具体的なソフトウェアオペレーション(The foundry Nuke, OpenColorIO etc)を交えながら、従来のワークフローと照らし合わせることで浮き彫りになったシーンリニア環境でのVFX制作のメリットについて解説します。

・ログ、ビデオ、シーンリニア素材の扱い
・シーンリニア環境での画像処理(露出調整、色合わせ、ブラーなど)
・RRT(Reference Rendering Transform)によるトーンマッピング
・既存ワークフローとシーンリニアワークフローの比較

18:00〜18:30 『国内外の映像産業動向と撮影~CGパイプラインの問題点に関するガイダンス』

講演者:正真一久(カオスグループジャパン株式会社技術取締役、Lighting/Rendering Supervisor)

概要:V-Rayが国際的に各分野で利用されるようになって10年が経過した。この10年で進化した映像制作技法の一方で撮影とCGの合致性に諸問題が発生し続けている。なぜこのすれ違いが発生するのか、海外ではどのような対応とパイプラインを作っているのか。関係者人材の思考はどうなっているのか。根本的なモチベーションの違いはどこにあるのか。いくつかの映像実例をもとに技術と人間のパイプラインを語る。